今回は、社会保険労務士の礒田さんに取材させていただきました。社労士として惜しまぬ努力を続けていらっしゃる姿が格好よく笑顔が素敵な方です♪

業務内容を教えてください

経営の三要素と言われるのが「ヒト・モノ・カネ」。お金の専門家が税理士だとしたら、ヒトの専門家が私たち社労士。中小企業の経営者の「ヒト」に関する相談に応えるのが仕事です。

具体的に言うと、一人の人が就職したとき、実は労働基準法など色々な法律が関わってきます。給与明細も、健康保険法、厚生年金保険法など色んな法律がからんで作られています。社長が経営をしながら、こういった法律を網羅するのは困難なので、私達専門家がサポートさせて頂きます。また、法律が全て守れていたらそれでいいわけではなくて、それぞれの会社に理念、社風、価値観があります。そんなそれぞれの価値観にあわせて、「ヒト」の問題や働き方を、経営者と一緒に考えていくのが社労士の仕事です。

社労士になろうと思ったきっかけは何でしょうか？

「仕事を持つこと」で救われたことがあるんです。

私は、１0代の時、重度の鬱で精神病院に入院していたことがありました。将来に対して不安や絶望を感じ、家族の中で自分の居場所がないと思っていました。20歳になり母親が働いていた生命保険の会社に就職しました。入社後2ヶ月ほどして、初めて契約をしてもらえたのですが、その時お客様からいただいた「ありがとう」という言葉が凄く嬉しくて…。今思えば、私のつたない営業だったと思います。でもこんな私でも、ちゃんと勉強をして、一つ一つスキルを積み重ねていけば、人のお役に立てる、ということに気付けたんです。そこから、鬱になることはありませんでした。仕事があったから今の私があると思っています。だから、「働く」の専門家である社労士という仕事を選びました。

どのような時にやりがいを感じますか？

日本中に鬱で会社を休職している人が、たくさんいます。そういう相談がめちゃくちゃ多いです。仕事がうまくいかなかったり、家族とうまくいかなかったり。鬱みたないになることは、誰にでもあり得ます。そういう時に、鬱から回復させることって、家族にその力がなければ、職場しか回復させられないと思うんです。鬱になることが悪いことではないです。鬱になったとしても、回復させられる職場を創りたいと思っています。

誰かにお役立ちするのが仕事です。そして、仕事を通じて、お役立ちの範囲を、社内、お客様、取引先、地域、社会へと広げる事ができます。という風に、自分が貢献できるフィールドの広さに気付くことで、自己定義が変わっていく。そんな職場創りにやりがいを感じています。

どうやったら天職は見つかりますか？

まずは、この仕事を「天職」だと思って、とにかくスキルを磨き続けることが大事です。

とはいっても社労士という仕事を始めた頃は、天職だとは思っていませんでした。なかなかお役立ちできている体感が得られず、苦しい時期もありました。でも、目の前のことから、一つ一つ経験を積み上げていくなかで、考えが変わってきました。

「私には、社労士という役割を通じてお役立ちすべき場所がある。」

自分が鬱を経験し、仕事を持つことで救われたからこそ、「鬱が治る職場を創りたい」

これが私の天命だと考えるようになりました。そんな私の天命を実現できるのが社労士。だから社労士という仕事が「天職」だと思っています。

最後に学生の皆さんにアドバイスをお願いします‼

仕事観は、仕事へどう取り組むか、役割をどう捉えるかで、大きく変わっていきます。就活をする時にも、年間休日や給料ではなく、そこで働いている社員さんが「プロ意識を持って仕事をしているか」を見ることが大事だと思います。

プロ意識の高い人がたくさんいる職場。そこで、「仕事に責任と誇りを持ち、プロとしてスキルを磨いていく」という気持ちで、各々が自分の役割を全うしている職場が、一番楽しいし、働きやすいと思います。